Cateblo.jp

たぶんサッカーの話が多いです。

ずっと気になっていたチャントがトゥーレ兄弟のものだと知って北アイルランドに圧倒的感謝 ― EURO2016 Day12

 

未明から降り続いた大雨のせいで、グループDの試合時間はWOWOWの電波が完全シャットダウン。昼間の再放送も途切れ途切れの受信状況だったらしく、2004年から続けているEURO全試合録画が危うくなってきた。ショックでかすぎる。仕事で面倒事も抱えてしまっているため、あまり気が晴れない一日だった。

 

ウクライナ×ポーランド

後半から入ったブワシュチコフスキの左足ゴールでポーランドが勝利。2位でトーナメント進出を決めた。レバンドフスキが無得点でもここまで来れているのは地力の証明か。エースの爆発はトーナメントに期待。

ウクライナは3試合ノーゴールで敗退。「うまいのになぜか決まらない」という悲劇感あふれるヤルモレンコを筆頭に、ラキツキの後方から繰り出すロングボールなど、磨けば光りそうな武器がたくさんあっただけに残念な結果となった。初戦信者の自分としてはドイツに奮戦しながらも0-2で敗れたことが大きかった気がしてしまう。

マルセイユの試合会場スタッド・ヴェロドロームは、ぐにゃぐにゃした屋根がすごかったので一度でいいから見てみたい

 

・ドイツ×北アイルランド

混戦からミュラーの落としを決めたゴメスの1点を守ってドイツが1位通過を決めた。勝ち点3で得失点差0の北アイルランドもグループDの結果により進出決定。初戦から真面目に真面目に戦う姿に軽く好感を持っていたのでうれしい。

ドイツはエジルを中心にわずかなスペースを活用するパスワークで、ゴール前までは何度も到達していたのだが、ミュラーとゴメスとゲッツェが内野ゴロのようなシュートを繰り返したせいで1点に終わった。「日本人と同じく規律を重んじる国民性」らしいので、誰かがひとたび外すと後続も同じように振る舞わなければ排除されるのだと思う。

それとは反するようだが、右サイドバックの21番が若いのに中央への切り込みなど思い切ってやっていて、ラームを育てた国はすごいなと思った。あとボアテングの身体能力について「慣性の法則が通じないのか!」と言われていたのがおもしろかった。摩擦のないピッチで等速直線運動をしているボアテングは外から力を加えなくても方向転換とかできるみたい。どちらかというと摩擦のないピッチで等速直線運動ができるボアテングがすごい気がする。

北アイルランドは選手よりもサポーターが目立っていた。有名な「俺たちはブラジルじゃねえ」と「ウィル・グリッグ大炎上」もさることながら、個人的には下記のチャントがイチオシ。日本では湘南ベルマーレ大野和成に使われていた曲だが、イギリスではコロ・トゥーレヤヤ・トゥーレ兄弟でおなじみらしい。このチャント大好きだったのに初めて知った!


Steven Gerrard Leads Liverpool Players In EPIC Yaya / Kolo Toure Chant In Dubai

ジェラードさん何やってるんですか……と言いたいところだが、ノリが良すぎて気持ちは分かる。

 

・スペイン×クロアチア

美しいパス回しとダイナミックなフリーランから先制したスペインに対し、サポーターから何から熱すぎるクロアチアが逆転勝利。今大会最大の番狂わせなんじゃないか。

スペインは高い位置で奪われるシーンがこれまでも目立っていたが、中央の守備が安定していたため大怪我はないと思っていた。それでもこの試合では空中戦のマークミスと地上戦の1対1でそれぞれ破られ、相手攻撃陣との「デュエル」の面でも完敗といった印象。これで08年大会以来の無敗記録が止まってしまった。

まさかモドリッチ抜きのクロアチアが勝てるとは思っていなかったが、2点目のロングカウンターはお見事だった。大黒柱の技巧派がいなくなったことで、闘争心に裏打ちされた強さと速さは生かせたかも。マンジュキッチが本調子じゃなかったなかでのこの結果はトーナメントに期待を持たせる。

 

チェコ×トルコ

ようやく火が付いたと思われるトルコが2点を取って、ロシツキーがいなくなって力の抜けたチェコに完勝。勝ち点3の得失点差-2で望みをつないだ。すでにA組のアルバニアが総得点で下回っているため、翌日の2グループでもう一つ下回るチームが出てくれば進出が決まる。

トルコはあまり違いを発揮しきれずにいたチャルハノールが欠場。そのおかげか前の試合で味方サポーターに大ブーイングをかまされていたアルダ・トゥランが輝きを見せた。洒落ていないながらも泥臭く戦う姿はトルコの真骨頂。こちらもトーナメントに行ければまた違う姿に期待できそう。

チェコは後半にボールを握る展開が続いたが、ロシツキーがいないため持たされても限界あり。GKチェフの神通力もさすがにブロックの散漫なカウンターやセットプレーの前には通用しなかった。チェコは敗退決定。それにしても今大会の2試合でロシツキーが見せたプレーは記憶に残るものだった。2戦目にアシストとなったアウトサイドクロスは大会屈指のハイライト。

 

やっぱり4試合は追いかけるだけでもたいへん。それでも明日で小休止となるのでグループリーグを最後まで楽しもうと思います。試合のない日はグループリーグの総括っぽいものを書くかも。