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たぶんサッカーの話が多いです。

【U-20W杯】予想以上の大善戦も格差を感じる敗戦、キャプテン坂井大将の10分間

U-20ワールドカップ5日目は、2日目に続いて水原ワールドカップスタジアム。初戦を勝利で飾った日本代表が迎える緊張の第2戦です。

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ここで勝てば決勝トーナメント進出が決まるわけですが、相手のウルグアイは南米予選を1位通過した強敵。2日目のイタリア戦でも切れ目ないプレスと抜け目ないカウンターで多くのチャンスを作り、終盤のセットプレーで勝ち点3を得ています。

実力的に言えば「格上」にあたる存在であり、もし負けたとしても得失点差が重要になってきます。

 

大田からソウルへ

この日の拠点は大田だったので、まずはソウルへ向かって、ゲストハウスにチェックインしなければなりません。

時間がなかったので高速鉄道に乗ってソウル駅に向かい、そこから地下鉄でゲストハウスのある弘大入口駅へ。無事にチェックインして、近くのお店で昼食をとりました。

ソウル中心部の観光客が多いエリアは地方に比べて物価が高く、これくらいの食事でも平気で1500円くらいします。ただ、味は良かったです。クラフトビールのお店はたくさんあるので、体重さえ許せば飲み歩きたい……。

そしておなじみの特急列車ムグンファ号で水原に行き、バスを使ってスタジアムへ。さすがに2回目ともなれば迷わずに行けます。

 

イタリア×南アフリカ

第1試合は日本と同じD組の対戦。初戦でウルグアイと熱戦を繰り広げながら敗れたイタリアが、日本に逆転負けを喫した南アフリカに襲い掛かるという構図です。圧倒的な力の差がありましたが、スコアは2-0というイタリアらしい形で終わりました。イタリアは初戦の[4-1-4-1]とは違って、右傾型の[4-4-2]だったのが気になりました。

イタリアはポストプレーヤーのFW9ファヴィッリが目立った働き。長身かつウエイトがあるというプレミア中下位のワントップっぽい選手で、ハイボールを争えばしっかり競り勝ち、足元に収めれば広い展開力を見せ、こういう選手が一人いると楽だなあと思わせる活躍でした。あまり足回りが良くなくて、セリエAで名を上げるタイプの選手じゃなさそうですし、どこかで居場所があればよいなあと思います。「Jに呼ぼう!」と内輪で話題になりました。

また、イタリアを見るのは2試合目ということで、徐々に他の選手の印象も固まってきました。とくに注目して見ていたのは、ユベントス所属ということで大会前から話題になっていたMF8マンドラゴーラ。初戦を見た限りでは「良い選手だけど、そんなに言われるほど?」と疑問に思っていたのですが、この試合ではスマートな読みと、マークを外さない対人力が見られました。

有名選手を見るときについついオンザボールでのプレーを見てしまいがちになり、ドリブラーやストライカーばかりが目についてしまうものですが、オフザボールで効果的に黒子になれる選手もチームには不可欠。この能力があれば、ゆくゆくはボランチだけでなく、センターバックもできそうだと思いました。

南アフリカはあまり組織的な攻撃ができず、日本が次の試合で参考にできるような点はほとんどありませんでした。もっとも、イタリアのセットプレー守備が中央偏重であったり、右サイドの守備力、左サイドの攻撃力があまり高くないことも分かったりしたので、そのあたりを生かしていけば勝機はあると思います。

 

日本×ウルグアイ

正直、まともな勝負にはならないと思っていました。イタリア戦で見せていたようなハードなプレスとロングボール攻撃は、フィジカルで劣る日本代表が苦手とするもの。ましてや、日本が誇るボールコントロールの技術も、相手が上回っているようにも見えていました。

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ところがフタを開けてみれば大善戦。MF16原輝綺は相手ボールホルダーに何度も何度も食い付き、MF17市丸瑞希のパスは何度も敵陣の危険なエリアを突きました。われらがMF10坂井大将はベンチスタートでしたが、「この2人が出たなら仕方がない」とすがすがしい納得感さえありました。

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もっとも、最終スコアは0-2。FW9小川航基のアクシデントも小さくありませんでしたが、決めきるべきところを決めきれないチームと、決めるべきところで決めたチームの差が出た結果の敗戦でした。

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「決定機の数では勝っていた」という評価は本質的ではありませんし、「○○のミスのせい」という責任転嫁も不適切でしょう。

 

それでは以下、坂井大将カメラからお届けします。

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試合前の整列です。坂井は一番右でこちらを見て、拍手をくれました。そりゃ大分トリニータのユニフォームを着ているのが数人並んでいたら目立つよね……。試合前に気を使ってくれてありがとう。プレッシャーかかるかもしれないけど、少しでも励みになればと思って、この試合では集まってみました。

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出番がなかったハーフタイムには、出場選手を出迎え。自らのポジションを託したMF16原にはいっそう気持ちの入った握手をしていました。すでに1点ビハインドでしたが、あれは「よくやった」だと思います。きっと。

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そんなMF16原に代わって、80分から出場。この試合は出番がないと思っていただけに、うれしく思う反面、一抹の不安もありました。MF16原もMF17市丸も、それ以外のポジションの選手も、この試合でウルグアイ選手と対峙して、ぐんぐん適応しているように見えました。そんなハードなせめぎ合いの場所に急に入っていけるのだろうか、と。

結果としては、よくがんばっていたと思います。前線の選手が攻撃一辺倒になるなかで、中盤のスペースを埋めるところからスタート。相手のカウンター時には、1人で2人を相手にする場面などもありましたが、苦手な守備を覚悟を持って遂行していたと思います。

もっとも、得意のボールタッチで攻撃に変化を付けることはできず。攻め気にはやる攻撃陣との息が合わず、ワンテンポ遅れてしまうこともありました。これは80分やってきた人と、途中から出てきた人との差でもあったと思います。でも、今後もこのプレースタイルで行くなら、いつでもペースアップできるようになってほしい。

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いずれにせよ、この経験を次につなげるかどうかは第3戦次第。もっとこのチームを見ていたい思いで応援します。

 

そのほか①

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ウルグアイ国歌の場面でチリ国歌が流れました。困惑。

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抗議するベンチ。

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2回目の斉唱は気合が入りまくっていました。

 

そのほか②

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軍人さんたちが日本のゴール裏にいたのがいい光景でした。