【スペイン旅行記③】レスターサポーター's having a party
前回のあらすじ
北京空港で14時間を過ごし、マドリード行きの飛行機に搭乗。即3時間ほど眠っていたが、まだ出発していなかった。おいおい。
気分は脱北者。
おなじみの中国国際航空
私が起きたのを合図としたかのように、ほぼ3時間遅れで出発した。「全員が起きるまで出発しません」って感じの面倒な担任的サムシングだったらどうしようと思った。
機内食がすごい
ここからは長距離のフライトとなるが、相変わらず機体はぼろかった。寝起きだったがすぐに機内食が出てきた。
……かなりコメントしにくい味だった。(人様が作ったものにまずいとは言いたくない)
食材さえ苦手なものでなければなんでも食べられるという穏健派偏食の私であるが、さすがにラクダっぽい香りがする「ビーフ」なるものは苦しんだ。サラダが固いのはもう慣れたが、乾いたスイカは身の危険を感じたので残した。このビールは結構うまい。
景色がすごかった
中国から出発したせいか、ロシアの深いところをずっと飛んでいたが、星空はいままで機内から見た中でいちばんきれいだったと思う。オリオン座が目の前の視界120度くらいにドーン!とあって、こっそり窓を何度も開け閉めしながら見ていた。
月も大迫力だった。
朝焼けの写真を撮っていたら隣に座っていた中国人女性がめちゃくちゃ身を乗り出してきて、ずっとスマフォで撮っているものだから、30分くらい顔面の距離が40センチくらいのところにあって困った。怖い人が出てきて怒られるやつかと思った。
二回目の機内食
俺の辞書に期待という言葉はない……という感じだった。ぽろぽろとしたスティック状のビーフはさておき、すごい乾いた白滝みたいなサラダに、メロンのような味がするゼラチンはインパクト抜群だった。
わりとこれまで飛行機移動は好きだったんだけど、これを機に認識を改めた。まともな航空会社しか使ったことがなかったからだと思う。というか中国なんだからオーソドックス中華みたいなの作ってくれーーー!
中国のここがすごい(よいとは言ってない)
あまりにやることないから映画をチラ見したり、機内誌を読んでいたりして過ごしたけど、すべてが中国語っぽいもので書かれていたことが新鮮だった。外来語的なものがほとんど見当たらないのである。SIMカードでさえ「手机卡」と書かれていた。
モニターで行程を表示するアプリケーションを見ていた時にも、ほとんどの都市に中国語表記があった。「ベルリン」は「柏林」、「ワルシャワ」は「华沙」といった具合に。日本にも「米国」や「仏蘭西」などの国名、都市でも「伯林」といった表記をすることもあるが、現代ではあまり一般的ではない。
日本にはカタカナ表記があるから、最近の概念は英語をそのまま流用したものが多い。むしろ、日本語に対訳できるような言葉も外来語に置き換えられるようになり、その例が「コンサル用語」と呼ばれるものであろう。
どっちがいいというわけではないが、文化的な強さってのはこういうところで差が付きそうだと思った。少なくともクールジャパンとか言っている場合ではない。(やべえ、これ「エビデンスは?」って言われるやつだ)
2回目のマドリード
そんなことを考えていると、マドリードのバラハス空港に着いた。予定より4時間近く遅れてしまい、だいだい午前11時ごろだった。本来は前日夜に着く予定だったため、セビージャ行きのチケットを9時で取っていたが間に合わなかった。再び余計な出費だ。
マドリードに来るのは2014年3月以来。その時はほとんどアトレティコ・マドリード×ACミランのチャンピオンズリーグを見るためだったので、きちんと観光をする予定なのは初めてだ。
バラハス空港
降り立った第1ターミナルはかなり簡素な作りだった。カフェとコンビニ的なものがあるだけで、ほぼバーレーンの空港と変わらないくらいの規模だ。
インフォメーションセンターの人にSIMカードがほしいと尋ねると、第4ターミナルに行くよう案内された。ターミナル間は無料バスが出ているらしい。だいたい4キロくらい進んで、いかにも新しそうなターミナルに着いた。
おしゃれか!!!
同じ空港とは思えないような内装で、ずいぶん現代的な建物だった。流線型の屋根と大きな柱、そして間接照明が大分県立美術館の2階っぽさがある。(伝わらない)
ひとまず、インターネットを使えるようにするため、そのへんに売っていた5GBで20ユーロのSIMカードを買った。LTEじゃないので速度はそれほどでもなかったが、旅行中にほぼ不便することはなかった。設定もしてくれた。
アトーチャ駅へ
レンフェの鈍行っぽい列車を使って中心部のアトーチャ駅へ向かった。だいたい20分くらいで着いた。
いつも思うけどホームと線路の高さが近すぎて怖い。でも落ちてしまったことを考えるとすぐに戻れるのか。ただ、乗るときにちょっとバリアフリー感なさすぎる。(たぶん事前に言っておけばスロープをくれる)
保安検査(スペインは長距離列車に乗る前にもX線検査がある)を終えて時間が余ったので、到着即イベリコのサンドとビール。ポテトチップスも付いてきた。オリーブオイルをかなり贅沢にかけられるようになっていて、かなりおいしかった。あとスペインのビールは日本人好みな感じで最高。
チャンピオンズリーグ観戦のためセビージャへ
この日の目的は、マドリードから南に500kmのセビージャで開催される、セビージャFC×レスター・シティーFCのチャンピオンズリーグ。日本人対決の予定でチケットを取っていたが、清武弘嗣の移籍で実現しなかった。
それでも昨季、奇跡的な優勝を果たしたミラクルレスターの試合を見続け、ロンドンまで観戦に行ってしまった「にわかファン」にとっては、夢の続きを体験できる良い機会だ。
アトーチャ駅のカフェで横に座っていたレスターサポに絡まれた。
日本人だということを告げると「シンジオカザーキ!トゥットゥットゥットゥー!」と岡崎慎司のチャントを歌ってくれた。店内でも大声で(!)。
ちなみにこの後、アフロをかぶせられて一緒に写真を撮りまくるんですが、それは非公開にしておきます。めっちゃ楽しかった。
レンフェ車内
車窓風景はほとんど農園か荒野って感じだった。コルドバあたりを通るのでたまに歴史的っぽい建物(語彙がない)も見えた。車内ではWi-Fiが使えるのでかなり快適だった。
コストコ。
田園風景。見渡す限りこんな感じだった。
いかにも爆破で落とされそうな橋。趣がある。
崖と鮮やかな家。左のほうにキリストっぽい巨像があるのもポイント高い。
途中で通ったプエルトリャーノの風景。寄りたくなった。
セビージャ行きのレンフェに乗ったんですが、レスターサポーターが私を知人だと認識してしまったことにより、歌いながら車両を往来しつつハイタッチを求めてくるんですが、近くを通るたびに周囲の人たちが迷惑そうな顔を向けてくるのが少しつらいです。
— C (@catenazioni) February 22, 2017
さっきの人たちは車内でも全開でした……。
サンタ・フスタ駅
2時間半くらいでセビージャの中心駅に着いた。
セビージャに着いたんですが気温21度とか快適すぎる……。
— C (@catenazioni) February 22, 2017
さすが絵になるな……。
つづく。