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たぶんサッカーの話が多いです。

【大分県高校新人大会】準々決勝4試合をむりやり全部見てみた(1/22)

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あけましておめでとうございます。

年末年始の全国高校サッカー選手権も終わり、いよいよ2017シーズンが開幕。恒例の県新人大会でスタートです。

それにしても9日に全国選手権が終わって14日には新人戦が始まるというスケジュールはすごい。シーズン途中のウインターブレイクよりシーズンオフのサマーブレイクが短くなりそうな秋春制計画もびっくりの過密日程だ。

3回戦までは一試合も見られなかったため、準々決勝が個人的な開幕戦。4試合とも同じ大分スポーツ公園内で行われ、2試合同時キックオフだったため、前後半で会場を移動して全8チームを見ることにした。

 

大分×大分鶴崎(1試合目前半)

大分中学からの内部進学生を中心に昨季2冠で選手権に出場したばかりの王者・大分に、クラブチーム出身者が主体で上位進出も狙える古豪・大分鶴崎が挑むという構図。

序盤は[3-4-3]のバルセロナスタイルで試合に入った大分は、ボランチの主将・MF10嶋津翔太(2年・大分中)や川崎元気監督の息子・MF7川崎脩斗(1年・大分中)など全国の舞台でも得点を記録した面々が先発に並ぶ。

ここ数年いなかった大型の跳ね返し系センターバックのDF3進藤勇利(2年・大分中)や新エースのFW9谷川海翔(1年・大分中)も目を見張る選手。15分くらいからは昨季と同じ[4-4-2]にフォーメーションを変えたが、縦パスといい機を見たロングボールといい、チームコンセプトは引き継いでいるようだ。

一方の大分鶴崎はフリーマンで最終ラインにも入るMF8後藤舜稀(1年・カティオーラFC)を余らせたマンツーマン型で対応。ボランチセンターバックがマークを受け渡さないので対応が遅れて裏を突かれる場面もあったが、小兵ながら足回りとキャッチングが良いGK1今給黎空(2年・カティオーラFC)らを中心に守りきる。

前半は大分が押し気味だったが0-0で終了。最終スコアは1-0で大分だったらしい。試合の流れとしても順当な結果か。

柳ケ浦×情報科学(1試合目後半)

前半は1-1。後半は柳ケ浦が風上エンドで始まった。ときおりかなり強い風が吹いていたため、ロングボールでは有利不利がくっきり分かれるコンディションだ。

柳ケ浦はフィジカル押しの[4-1-4-1]。しっかり熟練されているGK1小柳竜之介(1年・サガン鳥栖U-15唐津)、長身センターバックのDF4上田一成(1年・中津緑ケ丘中)など1年の実力者が守備を固め、アンカーのMF8高倉直希(2年・FCブルーローズ)、サイドの突貫ドリブラーMF園田遥希(2年・ギラヴァンツ北九州U-15)など攻撃のタレントも多く並んでいる。

一方の情報科学はいつもの[4-4-2]。ていねいに隣の味方に当てるビルドアップが伝統のチームだが、風下コンディションに苦慮してか、柳ケ浦のプレスに阻まれてか、個が目立つようなシーンを作ることはできなかった。

試合はサイドも最前線もできる柳ケ浦のFW9井上颯太(2年・犀川中)が豪快なボレーと振り向きざまノールックシュートで2得点。3-1で柳ケ浦が勝利した。毎度のことだがちょっとやんちゃで見ていて楽しい。

中津東×大分南(2試合目前半)

中津東はハイラインハイプレスの[4-4-1-1](!)。何が驚いたって、システムがマンツーマンじゃない。昨季は中津東を選手権常連のチームに育て上げた松田雄一元監督(現・鶴崎工業)のスタイルを続けていたが、今季から本格的に就任2年目の軸丸耕平監督が色を出していくということだろうか。

プレーモデルが変わっても、強豪であることには変わりない。GK1本田泰之(2年・緑ケ丘中)はキック、キャッチともに質が高く、最終ラインのDF2本間道(2年・FC中津グラシアス)は182センチの長身で空中戦に強い。ボランチのMF8寺下海都(2年・大分トリニータU-15宇佐)、MF6森木大雅(1年・FC中津グラシアス)は球さばきがうまくて競り合いもサボらず、FW9森本響(2年・大分トリニータU-15宇佐)とFW10後藤文太(2年・大分トリニータU-15宇佐)の前線コンビは身体操作が素晴らしい。とにかくタレントあふれる集団だ。

一方の大分南はオーソドックスな[4-4-2]。風下で圧倒的不利な環境下だったが、カウンターの戻り際に課題のある中津東の中盤に左サイドからMF14岡崎淳之介(1年・挾間中)、FW10首藤恭平(2年・日出中)が飛び込んでいく攻撃は迫力十分。やみくもに蹴り込むだけでなく、前線に上がっていくタイミングも洗練されていた。GK1伊東晃太(2年・FCスフィーダ)も足さばきに素材感がある。

試合は中津南がサイド突破と鋭い前線へのフィードで支配する展開となったが、シュートがミートしなかったり大きくそれたりで決め切れず、大分南のカウンターには受けに回る形となったまま0-0で前半を終えた。後半に風上になった大分南が先制し、そのまま試合を終えたとのこと。

大分西×大分工業(2試合目後半)

先の試合を終えた直後に別のピッチに向かうと、なぜかすでに後半が始まっていた。その時点で大分西が2-0リード。キックオフ時間がずれていたのか。つい直前まで中津東のタレント性に素直に感動していたが、今年の大分西はもっとすごかった。毎年のことかもしれないがとても「派手」である。

フォーメーションはおなじみの[4-4-2]。1年時から主力級の宮崎優成(2年・大分トリニータU-15)はセンターバック起用。長身で名前に既視感のある野尻晃生(1年・大分トリニータU-15、U-18にいた野尻陸生の弟?)とのコンビで攻撃の起点にもなる。ボランチの後藤颯(2年・スマイスセレソン)と佐藤颯勢(2年・FCレガッテ)の早生まれコンビは名前のごとく機動力があり、おなじみの前線4枚にはドリブル、長身ポスト、パンチ力とフリーラン、フィジカルと個性を持った選手が並ぶ。

対する大分工業は昨季の選手権予選で情報科学を大差で下した隠れ強豪校。[4-1-4-1]で繰り返すプレッシングと要所の1対1は相手のエアスポットにばっちりハマる。注目選手は大分西のGK1高橋力也(1年・大分トリニータU-15)と元同期のGK1小野晃輔(1年・大分トリニータU-15)。アンカーに入ったMF10安部泰平(2年・別府ミネルバ)、最前線のFW9矢野達也(2年・大分トリニータU-15)は個人でも打開できるスキルがある。

試合は大分西の右サイドMF8幸航平(2年・大分トリニータU-15)が後半だけで3得点を叩き出して完勝。腰の高さの豪快ボレーあり、ダイアゴナルランからのクロスシュートあり、こぼれ球のプッシュありと大暴れだった。サイドバックの使い方もうまく、上背もあってフィジカルセンスも高いため、早くも注目株が出てきたなという感がある。

大分工業は大分西のスキを突いて終盤に2点を連続で加点したが力負け。むしろその場面に限っては、大分西に悪い意味での「ちゃらい」雰囲気が出てしまったか。でもこのチームの良さもそこにあるので失ってほしくない気持ちもある。

 

ひとまず、準決勝~決勝に行けるかは未定なので、記録がわりに書いておきました。どこが出ても九州大会には行きたいところ……。今年はなかなか戦えると思います。

タレントも多いことが分かったので楽しみですが、とにかく松岡は寒かったというのが率直な感想……。