【J3第30節 大分×鳥取】図ったかのような滑り込みでミッションコンプリート
愛するクラブのJ2昇格を一目見ようと、いつもよりかなり早起きして鳥取に行ってきた。
あと1試合を残した状況で、栃木がまさかの敗戦を喫した*1ため、急に首位に立った大分トリニータ。最終節・鳥取戦は「勝てばほぼ間違いなく昇格」(得失点差が大きい)という一戦だった。
朝6時に出発、起きるの無理
だったため、ほとんど一睡もしないまま行った。
キックオフ8時間前の朝5時に投稿とか、このサポーター意識高すぎる! https://t.co/NtDhna497s
— C (@catenazioni) November 19, 2016
朝イチでこの投稿を見てしまって微妙にハイになったけど、すでにこのあたりで眠い。大事な試合の前は普通に眠ったほうがいいという当たり前の教訓を得た。(ちなみに2012年のJ1昇格プレーオフも徹夜で行ったので学習能力はない)
最寄り駅の時点でトリニータのユニフォームやグッズを持った人が10人以上いるんだがいったいどうなっているんだ……。
— C (@catenazioni) November 19, 2016
人口が10万人に満たない地方都市(=田舎)でも、鳥取に行くほど熱心なトリニータサポーターは山ほどいるらしい。
ソニックの小倉乗り換え、みんなトリニータの人たちだ。たぶん50人くらいいる。
— C (@catenazioni) November 19, 2016
特急ソニック号(よく揺れる)で向かった小倉駅はあちこちに青い人がいた。コンビニでコーヒーを買っている間に100人くらい見かけたと思う。
ここまで自宅から1時間ほど、この勢いで10を乗じていけば、鳥取に着く5時間後には1000万人が集まっているはずだ。明日から鳥取市が首都だ!
のぞみ号→スーパーいなば号
新幹線に乗ると気分が高まって眠れないタイプだが、小倉駅で買った駅弁を食べたら即寝た。今回の目的地は岡山駅だが、のぞみ号の終点は東京駅だ。軽く「覚悟」をした。(乗り過ごしたら開き直って栃木にでも行くつもりだった)
徳山の景色がとても美しい。 pic.twitter.com/WxLYkGtZJS
— C (@catenazioni) November 19, 2016
車内の記憶はこれくらいしかない。工場内のどこかの管が破損してしまった場合、経路が複雑すぎてどう修理していいのかわからなくなるだろうし、仕様書のないプログラムみたいなことが起こるのかなと思った。
約2時間後、無事に岡山駅に着いた。アラームでかろうじて起きた。サポーターはちらほら見かけたが、予想していた1万人には遠く及ばない数だった。当たり前だ。(高校数学は数学Bの「数列」で完全につまずいた)
スーパーいなばの指定席が取れなかったので、岡山駅の構内を小走りで駆け抜け、乗り換えの列に並んだ。自由席は想像以上の長蛇の列だった。鳥取駅までは約2時間、立ちっぱなしも覚悟したが、なんとか席を確保することができた。
それでも車内は激しく混み合っていた。試合で2時間立ちっぱなしになる人も多いだろうに、列車でも立ってなければならないのはサポーター道もなかなか険しい。
もし盛岡が勝ったらあらゆる別府冷麺を盛岡冷麺に変えていいし、県内の一級河川をすべて「神川」に変えてもいいと思います。
— C (@catenazioni) November 20, 2016
車内では隣に座っていた人と話しつつ、ツイッターでくだらないことを言いながら過ごした。(盛岡の相手はライバルの栃木だった。弱気。)
トリニータカラーで出迎えてくれた鳥取駅に到着
鳥取駅は駅の看板が青と黄色で、完全にトリニータカラーだった。歩いている人もサポーターばかりだったし、改装前の大分駅みたいでホームっぽかった。もちろん1000万人はいなかったし、別に鳥取市は首都じゃなかった。
試合のある「とりぎんバードスタジアム」(これもトリニータっぽい名前)まではシャトルバスで向かった。ここでもトリニータのサポーターばかりで、徐々に「むしろ鳥取市民は何してるんだ?カニ漁?」って感じだった。(旬だから仕方ないね)
俺たちのとりぎんバードスタジアム(前回は0-1で敗戦)
約30分でスタジアムに着いたが、グルメゾーンも青ばっかり。だんだん慣れてきた。ちょうど決起集会をしていたので、Facebookでライブ動画をアップロードした。反応は乏しかった。人の顔がたくさん写っていたのでブログには上げられない。
お約束の飲み物。中身はサッポロ(トリニータのスポンサー)だったので合格。
あごカツバーガーというトビウオのB級グルメが人気らしかったが、揚げるのに20分くらいかかるというJ3的オペレーションだったので、すでにできあがっていたカレーにした。とてもおいしかったので満足。(糖質的には罪深かった)
めじろんの生き別れがいた。 pic.twitter.com/8ZWIIeltH4
— C (@catenazioni) November 20, 2016
なんか、いた。2008年大分国体のキャラクター「めじろん」に似ている。
いよいよ入場
スタジアムに入るとまず、ピッチ内のカメラマンの数に驚いた。ホームチームの鳥取にとっては消化試合(失礼)のため、ほとんどがトリニータの昇格を撮りにきた人たちであろう。
アウェイゴール裏もほぼ満席。入場時のコレオグラフィーはアウェイ立ち見とは思えない密度だった。ホームでも作れない大阪のチームに他意はないが。それにしてもスタジアムの外には田んぼしかない。
サポーターも気合が入っていたようで、応援にはかなり迫力があった。
元大分のフェルナンジーニョがCKを蹴る場面などはすさまじいブーイングだった。
試合レポートというか岩田レポート
先制点は三平和司だったが、場内では「29番、岩田智輝選手の得点です」と言われた。
この苦笑いである。
後半に入り、再び三平の得点で2-0としたトリニータだったが、岩田がフェルナンジーニョに股抜きされて失点。それでも直後に豪快な攻め上がりから右足を振り抜き、プロ初ゴールを決めた。
わーっ。
どーん。
以上です。試合については以下の動画を見てください。
【ハイライト】ガイナーレ鳥取×大分トリニータ「2016 J3リーグ 第30節」
14年ぶりのJ2昇格!
試合終了直後から大雨が降り始めたが、選手をトリニータオーレで待ち構えるサポーター。
喜ぶ選手を尻目に、「亀野坂」になりきる片野坂知宏監督。これまでのプレッシャーの大きさを感じた。
なんで三平がシャーレを持っているのか謎だけどみんなで喜びのポーズ。ちゃっかりトロフィーを掲げる岩田(!)
「大分よりの使者」を歌ってサポーターと歓喜の儀式。終盤はラインダンスもぐだぐだになっていたが、この日も「なにかやるぞーなにかやるぞー」の空気を出しながらそんなになにもなかった。
胴上げ。高松大樹の引退試合と同じく13回くらいやってたけど、このままでは来年から13番がサポーターナンバーになるかもしれない……。
シャトルバスに乗る前、ガイナマンさんにも会えた。強小四大ハイタッチしてもらった。
街を散策したあと、食べるもの食べて、夜行バスで帰る
かなり大分感ある。 pic.twitter.com/nuBp16av9L
— C (@catenazioni) 2016年11月20日
大分感のある商店街を抜けて、まずは「日乃丸温泉」という愛国心が無限に高まりそうな温泉に行った。
浴槽は一つ。あつめとぬるめがあって、どちらも塩分強めな感じだった。大分には少ないタイプなので助かるが、シャワーも温泉なので髪がぱっさぱさになった。大人350円でドライヤーは追加料金。ロッカーは「それなり」のものがあった。
食事は駅前商店街の「村尾大衆酒場」というお店。
地酒と地元料理を中心に。のどぐろは値段が書いていなかったので不安だったが「わりと」いいお値段だった。脂がしっかりのっていて、そこらではなかなか食べられないような美味だった。
そのあと、3軒ほどハシゴして、地ビールを飲んだ。
ピルスナーもペールエールもヴァイツェンもすっきりめな感じでおいしかった。大山(だいせん)といえばスキー場くらいしか知らなかったが、地鶏の名前にもなっているしいいところなのだろう。
見聞きした話をツイッターに書いたら軽くバズった。
鳥取の飲食店主、口を揃えて「ガイナーレのことは別に応援してないけどFC東京の人たちが来たときは最高だった」と言う……。
— C (@catenazioni) 2016年11月20日
FC東京サポーターいったいなにやったんだ。ガイナーレがあってよかったことで出てくるのが「FC東京サポーターが来てくれたこと」っておかしいだろ。
— C (@catenazioni) 2016年11月20日
あと、変な郵便ポストがあった。
鳥取市民の言語感覚が不安になる郵便ポストがあった。 pic.twitter.com/HaDs8A1TgG
— C (@catenazioni) 2016年11月20日
夜行バスで小倉まで行き、JRで地元に戻った。
小倉駅で時間があったので、小倉スタジアム(?)に寄ってみた。
駅からだいぶ近い。 pic.twitter.com/v8jyDzCUQN
— C (@catenazioni) 2016年11月20日
暗かったのでよくわからなかったので、J3を見に来ようと思う。(勝者の余裕)
1年間をふりかえって
今季の開幕前、J3というステージは「通過点」であるという見方が大勢だった。「いるべき場所」「戻るべき場所」という、目の前のステージと向き合わない言葉も多く見られた。反対に、「どうせダメだろう」という悲観的な論調もあちこちで噴出した。
かく言う自分も同じ。昨季終盤の惨状を見ていると、上だけを見てギラギラしているJ3クラブのなかで、たった『1.5』しかない昇格枠を勝ち取れるとは思わなかった。
それでも30試合を終えた後にシャーレを掲げたのは、片野坂知宏監督を中心にしぶとく戦ったブルーとイエローの戦士たちだった。一時は首位との勝ち点差が『9』にまで開きながら、最後の2試合で首位に立つという鮮やかな逆転優勝だった。
鳥取の地で、選手・スタッフが感情を爆発させる姿を見て、ただただわが身を恥じるしかなかった。彼らの壁になっていたのは、J3というステージや敵クラブではなく、「昇格して当たり前」「そんな場所でもダメかもしれない」と思っていた私のような存在だったのではないか、と今では思う。
怖いもの知らずで迎えた悲願の「J2リーグ優勝」(2002)、華々しい記憶が残る「ヤマザキナビスコカップ優勝」(2008)、どん底からの復活を期待させた「J1昇格プレーオフ優勝」(2012)―。
過去の栄光はなかなか忘れられない。新たに加わった勲章は、たしかに見劣りしてしまうようなものかもしれない。それでもこの結果を「当たり前」と思った先に、過去のような喜びはないのでしょう。
そんなことを学ばせてもらった1年でした。ありがとうございました。
*1:長野ありがとう!