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たぶんサッカーの話が多いです。

いまさらながら3位通過による新ルールの特性がわかってきた ― EURO2016 Day11

同時刻開催の2日目。ひとまずリアルタイムで見られるときは、テレビ画面&オンデマンドの並行観戦というスタイルにした。時間がないというのが根本的な理由だが、どうせ戦術分析をするわけでもなしに、録画視聴をするほどの集中力は保てなかった。毎日、普通に眠い。

 

イングランド×スロバキア

3位のスロバキアが徹底的な守備的戦法で、首位通過を狙うイングランド相手に勝ち点1を死守。勝ち点4は3位通過の安全ラインなのでミッションコンプリートといったところだろう。一口にスコアレスドローといっても一方的に殴り掛かっているスコアレスドローだったので眠気はそんなになかった。徒労感はあった。

スロバキアのラインを下げに下げ、守備陣の踏ん張りでリスクを最小限にするという戦術は、イングランドの分厚い攻撃の前に何度もピンチを招いた。一度でもモノになっていれば失敗とされていただろうが、こういった修羅場は結果がすべて。前半から6キロ以上を走ったドゥダや、ほとんど敵陣での仕事がなかったハムシクなど、攻撃陣の奮闘も光った。それでもゴール前にバスを止めるがごとき棒立ちディフェンスがトーナメントで通用するとは思えないので、1点ゲームになったときの戦法には再考の余地あり。

イングランドは大幅にメンバーを変更して臨んだ一戦だったが、これまでの2戦と比べて明確に劣っていたという印象はない。ヴァーディーはカウンターから抜け出す場面もあったし、他の攻撃陣との連携もよかった。右SBのクラインは自慢のスピードで右サイドをえぐり、左SBのバートランドも得意のクロスが見られた。後半から出てきたケインが何もできなかったことを考えると、トーナメントでの先発はまだまだ読めない。

ちなみにGKハートとディフェンス陣がお見合いしていたところがこの試合のハイライト。決められていたらと思うとぞっとする。イングランドっぽいけど。

 

ウェールズ×ロシア

勝つしかない4位のロシアに対し、2位のウェールズが今大会最多の1試合3得点で快勝を収めた。中心選手のラムジーとベイルは終始好調でいずれも1得点1アシスト(実質)。アーセナルトッテナムというライバルクラブのイメージが強い2人が共存しているのは面白い。セルヒオ・ラモスとピケくらいの分かりやすい不仲感があってもよい。

ウェールズの攻撃は飛び道具ベイルを除けば鋭いカウンターが中心だが、ロシアのカミカゼアタックとの相性が良かったか。前を向いた状態でボールを奪ってからの流れは素早く的確だった。アーセナルだと黒子的な役割もこなすラムジーが王様になっているところを見ると、国別対抗戦っていいものだなあと思う。

ロシアは正直、あまり強くなかったというのが印象。スルツキ監督は相変わらず生気がなかったし、ベレズツキ兄弟を交代させたくらいしか見どころはなかった。ハーフタイムにこっそり入れ替えていたけどだめだったから交代させたのかもしれない。

 

Bグループは3位通過ルールによって強者と弱者それぞれの戦い方ができるようになり、それらが交差したことで磁場が崩れてしまったような印象。本来ならどう戦ってもイングランドウェールズの2チーム抜けで、直接対決で勝利したイングランドが首位通過となるところだったが、3チームになったせいで諦めないスロバキアイングランドの足をすくってしまった。そのあたりの勢力図とメンタリティーは以降のグループでも見どころになりそう。