EURO2016開幕ー何事も前日がモチベーションの最盛期なのか
待ちに待ったEURO2016が11日未明に開幕する。
ヨーロッパの覇権を争う祭典の舞台はフランス。1998年W杯以来の大規模大会で、日本代表が初戦のアルゼンチン戦を迎えたトゥールーズでも開催される。(リヨンは新スタジアムになり、ナントは今大会での使用なし)
注目は主に3点。
① 混戦の優勝争い
W杯優勝のドイツや前回大会優勝のスペインを筆頭に、世代交代が進むイングランドと開催国のフランス、一時はFIFAランク1位となったベルギーに、なぜかいつも上位に進出するイタリア。優勝は読みにくい。
さらに今大会から16→24カ国の出場となり、トーナメント進出チームは8→16カ国に大幅拡大。8グループ中の4グループでリーグ3位に進出権が与えられるため、強豪国はトーナメントに比重を置いてくることが予想される。トーナメントは一発勝負なので水物感が否めない。
期待するのはイングランド。今季はレスターにハマり込んでしまったのでヴァーディーの活躍がとても楽しみ。footballistaでラニエリが「めっちゃ早口」と言っていて、なんかそれっぽいと思った。
② 中小国の躍進
トーナメント進出枠が広がることにより中小国にもチャンス。実力では強豪国と肩を並べるクロアチア、トルコ、ポーランドはもちろん、ワンマン気味のスウェーデンとウェールズにも期待が集まる。
2004年大会のギリシャ優勝ほどのサプライズは叶いそうにないが、判官びいきの部外者にとってはアップセットこそ大会の醍醐味。エンターテイメントのためには強豪に犠牲になってもらいたいところだ。
注目は人口33万人のアイスランド。大分市選抜よりも少ない母集団からの出場だが、グジョンセン(しか知らない)を中心にがんばってもらいたい。ちなみに人口ブービーの北アイルランドは184万人。だいたい三重県選抜くらい。四中工みたいなものか。
③ 好きなチームの選手
日本代表に大分トリニータ出身の(※「大分トリニータの」ではない)選手が選ばれたらうれしいのと同様に、各国の代表として好きなチームの選手がプレーするのは大きな楽しみ。レスターではヴァーディーやカンテ(フランス)、リーグ戦では出場機会がなかったキング(アイルランド)などに期待したい。
ただ、やはり気になるのは、2部リーグに沈んで久しいフラムのこと。視聴環境がないため巨人ファンのおじさん並に結果だけを追いかけている形ではあるが、何かにつけて気になる存在である。そこでフラムにゆかりのある選手をざっくり調べてみた。
・所属中
ジャズ・リチャーズ(ウェールズ)
ジョージ・ウィリアムズ(ウェールズ)=ジリンガムにローン移籍中
クリス・ベアード(北アイルランド)
・過去所属
クリス・スモーリング(イングランド、マンチェスターU)2008-10
アーロン・ヒューズ(北アイルランド、メルボルン)2007-14
ゾルタン・ゲラ(ハンガリー、フェレンツバロシュ)2008-11
エイドゥル・グジョンセン(アイスランド、モルデ)2011=ローン移籍
ヨーロッパリーグで準優勝した2009-10シーズンに在籍していた選手も多い。自分が現地で観戦した際にも、ヒューズ、デンベレ、ゲラ、グジョンセンの4人は見たことがある。ちなみにイングランドのロイ・ホジソン、ウェールズのクリス・コールマン両指揮官はフラムでの監督経験あり。
そうこうしていると、開幕戦の時間が近づいてきた。
2014年W杯みたいに前日の高揚感がピークになってしまった大会も少なくないが、EUROの没入感は自分にとってなぜか別格。初めてWOWOWを契約してカッサーノのゴールと2-2に泣いた2004年、大学入学で長い自堕落生活の引き金を引いた2008年、変速3バックのアズーリに胸を打たれた2012年、どれも思い出深い。
イタリア代表に対する憧れはそれほど強くなくなってしまったが、大会が始まってみればまた違った気持ちも出てくるのだろうか。いまはとにかくすべてが楽しみです。