Cateblo.jp

たぶんサッカーの話が多いです。

九州クラブユース選手権U-15 準々決勝(15.07.12)

・FC BRISTOL(長崎) 0-2 アビスパ福岡(福岡)

お互いにラウンド16と同じシステム。BRISTOLはバルセロナ風の[4-3-3]で、ドリブルを主体とした中央突破とサイドに開いたウイングで主体的に攻め込む。アビスパはオーソドックスな[4-4-1-1]で、ライン間の圧力を高めて相手に自由にプレーさせずショートカウンターを狙う。
拮抗した試合展開となったが、先制点は「これなら仕方ない」といった形。BRISTOLのパスミスから始まったショートカウンターからのクロスがこぼれ、拾おうとしたFW9知花康士朗が相手ディフェンスに倒されPKを奪取。主将のMF5小嶋和典が落ち着いて左スミに決めた。
その後も一進一退といえる五分の展開だったが、違いを見せつけたのはは強力なタレントのスーパープレー。パスを自陣でインターセプトした左サイドバックのDF19桑原海人が猛然とオーバーラップし、相手の縦一列を全員抜き去ってのグラウンダークロス。ファーでFW11庄司一輝が軽く合わせ、貴重な追加点を奪った。
アビスパはやはり陣容が豪華。個人技で打開できる選手も多く、MF10北島祐二のターンと庄司のドリブルはかなり効いていた。BRISTOLは個性派ドリブラー軍団に加えて、センターバックのDF3日野翔太も目立つ。跳ね返す力が強く、読みも鋭い。左足から繰り出されるビルドアップも的確だった。
ラウンド16でのBRISTOLの戦いぶりを見ればアビスパが相手でも当然のように健闘すると思っていたが、想像以上に競った試合になった。これからも期待。

・ブレイズ熊本(熊本) 2-0 アミーゴス鹿児島(鹿児島)

早々に先制したブレイズが勝利も、お互いにやりたいことが貫徹できず大口な展開になったか。1点目はキックオフ直後に攻め残りからDF2岩崎竣也、2点目はFKからDF4笹原清優といずれもディフェンダーの得点。アミーゴスはマンツーマンで対応していたので、後ろから入ってくる選手に付いていけなかった。
ブレイズ熊本はオープンな[4-4-2]。攻めるときは[4-1-1-4]のような形を作り、張り出した前線の4枚を上げ下げすることで縦パスを狙っていた。最終的には2トップにボールが入るのが理想だが、息が合わずにボールが流れるシーンも多かった。得点シーンは動きのある場面ではなかったので、あまり狙い通りに試合を運ぶことはできていなかった印象。中盤に入ったFW7大竹悠聖は球さばきが巧み。
アミーゴスはマンツーマンでマーカーを付けていたため、見た目上は[4-4-2]。完全に担当者を決めるような形になっており、セットプレーの場面でもともと余らせていたDFの選手を相手に苦労していた。その辺のドタバタがなければもっと均衡な試合になっていたと思う。後半は柔軟に対応するようになり、決定機を多く作った。攻撃の中心はMF9佐藤潤弥。ボランチに入っていたがオンボールではガンガン攻め上がり、身体を大きく使ったドリブルは迫力があった。169センチとなっていたが、もう少し大きい気がする。
難しい試合だったので、それぞれ別の試合も見てみたい。

・小倉南FC(福岡) 1-2 サガン鳥栖(佐賀)

試合前の円陣から「走れ走れ走れ!」と野性味全開のハイテンションで入った小倉南に対し、サガンは声出し&太鼓のサポーターが登場。全国大会を争う試合らしい熱量いっぱいの雰囲気で始まった。試合もお互いにハイプレッシャーでボールに向かい、ボディコンタクトも厭わない。ファウルになりそうなコンタクトプレーも多発したが、険悪なムードになることはなく、前向きに「闘っている」感があった。
小倉南は[4-1-4-1]。全員がボールを握れるテクニックがあり、中心選手を挙げるのが難しいほどハイスタンダード。「しゃべれる」選手も多く、試合中やハーフタイムには自発的にコミュニケーションを取って布陣調整をしていた。サガンはコンパクトに並んだ[4-4-1-1]。とにかくトランジションが素早く、ブロック内に入ってきた相手を的確に囲める運動量が目を引く。
先制点は小倉南、アンカーに入ったMF17宗廣昂希の左CKからセンターバックDF23大川智己のハイタワーヘッド。セットプレーはほとんど大川に合わせる形だったが、長身をしっかり落下点に入れ、重心がこもった良いヘディングをする選手だった。
同点ゴールはその直後。最終ラインからのロングボールに反応したFW9鶴陽裕が左に抜け出し、ドリブルから左足で低いクロス。中央に走りこんだFW10石井快征が右足アウトサイドで合わせた。サガンはラウンド16からこの形がセオリー。2トップのスピードから繰り出されるロングカウンターは脅威だった。
お互い選手交代でクオリティーの高い選手を送り出し、拮抗した試合を続けていたが、試合終了間際にスコアが動く。途中出場のドリブラーFW11三好辰典がPA内で倒され、サガンがPKを奪取。石井が落ち着いて左隅に蹴りこみ、試合を決めた。影のMOMは途中から右サイドに入ったDF4川口翼(サガン)。長い距離を重く走りぬくドリブルで相手を押し下げ、小倉南の守備陣を苦しめた。

自分がみた中では今大会ベストゲーム。本当にいいものを見せてもらいました。できれば小倉南も全国大会の舞台を経験してほしい。

 

この日の結果で、大分トリニータ(大分)、アビスパ福岡(福岡)、ブレイズ熊本(熊本)、サガン鳥栖(佐賀)の全国大会出場が決定。残り1つの椅子を争って、カティオーラFC(大分)、FC BRISTOL(長崎)、アミーゴス鹿児島(鹿児島)、小倉南FC(福岡)が5位決定戦トーナメントを戦う。