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たぶんサッカーの話が多いです。

高校総体大分県予選 準決勝 中津東×大分西(15.05.31)

会場に着いたときにはすでに後半。

スコアは1-0で中津東リード。前半開始直後のFW13松浪竜希のゴールで先制していたらしい。初戦で3得点とはいえ、4試合5得点はエースストライカーとして立派な数字。

昨日の雨で湿度が高く、気温は30度を超える悪条件。思考が奪われて単調なロングボールが多く、お互いにセットプレーで可能性を差し向け合っているような情勢だった。

ところが後半のなかばごろ、FW9宗太海のオーバーヘッド気味のボレーで大分西が同点に追いつく。左からのクロスは後ろ気味に入ったが、綺麗に上体を倒して振った足に上手に当てた。

ここから試合が動いていくかと思いきや、どうしたものかさらに淡白な展開に。互いのDFはしっかり跳ね返すも攻撃陣にタメがなく、かといって後ろで変化を付けるでもないので角度のないロングボール合戦と化す。

流れを変えようと両監督ともに選手を投入するが、サイドに空いた広大なスペースを使うわけでもないので、延長戦10分ハーフまであっさりリズム無く試合が進んでしまう。もったいなかった。

 

そしてPK戦に突入。先攻は大分西。

中津東のGK1久保政博は相手のキックにテンポを崩され、右方向への読みがことごとく見破られる。かたや大分西のGK1大塚樹は読みこそ合っているが、後攻PKを難なく決める中津東キッカー陣を止められず。

そうして5-5で迎えた6人目。中津東の久保が趣向を変えて左に飛んだところ、これが大当たり。左手を正確に当ててボールをはじき出した。

こうなると一気に後攻が優位に立つ。落ち着いたキックでゴールネットを揺らし、中津東が6年ぶりの決勝進出を決めた。

 

大分西はこれまであった浮ついた雰囲気があまりなく、確固たる自信を持ってプレーしているように見えた。戦う気持ちが裏目に出てスタイルを出せない部分もあったのだろうが、守備力の安定は代えがたい財産。冬に向けて、そして来年度に向けて、単なるうまいチームでなく強いチームになるための好材料になる。

中津東は午後の試合で90分間という、連戦では苦しいディスアドバンテージ。走れるチームであるだけに、決勝の大分戦では真価が問われる。「高校サッカーらしい」と表現できるような、技術よりも身体能力と気合が表に出る試合になるでしょう。